月刊「建築知識」2005年1月号

築28年の3LDK
全体的な改修プランを検討するにあたり、設計者がまず考慮したのは、普段はあまり目にすることのないインフラ面の整備であった。

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事例に学ぶ|マンションリフォーム発想法

第5回
G邸畳でくつろぐリビング・ダイニング
設計 宇都宮 良介(ライフデザイン)

建築知識


G邸リビング完成後

今回は、インフラは最新のスペックに、リビングダイニングは畳敷きにと言うリフォーム事例を紹介する。


リフォーム前の平面図リフォーム後の平面図

【インフラを最新のスペックに】

築28年の3LDK。
全体的な改修プランを検討するにあたり設計者がまず考慮したのは
普段はあまり目にすることのないインフラ面の整備であった。

 

具体的には、給排水、給排気、断熱、遮音の4つを全て最新のスペックに交換することである。

 


さや管ヘッダー方式

まず給排水は、階下の天井裏に設置されていた配水管を除き、全配管をさや管ヘッダー方式に変更。


給排気

給排気には、バルコニー側から取り込んだ外気を、脱衣室天井裏の熱交換器経由で各室に給気するシステムを導入した。


発砲ウレタンの吹き付け

断熱は、外壁に面する躯体壁面に新たに発砲ウレタン(30mm厚)を吹き付けた。
これ自体はよくある断熱工事だが、吹き付けのための大型コンプレッサーの設置や
、5階の現場まで引き込むエアーホースのルートの確保など、「むしろ作業前の方が大変だった」(宇都宮氏)という。


【遮音の工夫】

遮音には特に拘りを見せた。床は(社)日本建築学会の性能基準で最上級となるL-40を採用。
いわゆる「置き床」の仕様で、際根太と壁の間には床から壁への振動を防ぐため400mmピッチで根太パッキンを挟み込んだ。
スラブとバーティクルボートの間には、遮音性能をより高めるためポリエステル繊維シートを敷いている


モルタルに代わり発泡ウレタン接着剤(エアタイト)を使用

壁は、GL工法を採用した。一般に遮音性能が劣ると言われているGL工法だが、
今回は接着剤として通常使用されるダンゴ状のモルタルに代わり発泡ウレタン接着剤(エアタイト)を使用した。

施工の際、エアタイトをZ型に吹き付けて張ることで、壁に反響する音を逃がそうというねらいである。

ただし、この方法は吹き付けたエアタイトが暴れやすく施工が難しいため、
「今回のような施工箇所の少ない場合のみ有効な方法と考えている」(宇都宮氏)とのことだ。


ベランダ側に移動させたリビング・ダイニング

【景色を取り込み、畳でくつろぐ】

インフラ面の施工以外にも注目すべき点は多い。
例えばサッシである。
管理規約では、防火上の制約から網入り強化ガラス使用せざるを得ないのだが、
高台に建つこのマンションからの緑豊かな景色も、間に網入りガラスが入っては、せっかくの眺望が台無しになってしまう。
 

そこで、特別に管理組合の許可をもらい、ガラスに網が無く、
なおかつそれ以上の耐火性能をもつ5mm厚の「ファイヤーテンパ」(旭硝子)に交換した。

これにより眺望のよさをよりダイレクトに取り込むことができた。

また、ベランダ側に移動させたリビング・ダイニングは、全て畳敷きとした。気楽に横になったまま景色を眺められ、
リラックスできる空間とするためである。


ランドリーボックス

さらに、家具類は、すべてスペースに合わせた造り付けとした。
そのため、洗濯機横のランドリーボックスは、廊下、洗面室2方面からの使用が可能となり、
キッチンカウンター
下の収納棚もキッチン側、リビング側双方から使うことが出来る。

空間を有効に活用した好例といえよう。

断熱工事やサッシの変更など、近隣への配慮や管理組合との交渉といったマンションならではの問題は、
この現場でも重要な作業の一つだったようである。

だが、それらに丁寧に対応していくことで、施主様の信頼も得られた。
結果として設計者自身も、満足のいく改修が出来たとのことだ。


建築知識の藤山記者と設計担当者宇都宮良介

掲載について
ライフデザイン 代表 小林稔

G様邸マンションリフォーム工事は、ライフデザインのリノベーションリフォーム第一号物件であった。
いち早く、建築業界の専門誌である『建築知識』から取材の申し入れがあった。
中古マンションを新築に再生するリノベーションマンションリフォーム『リノマンション』の構想を練っていた代表小林にとって、
素晴らしいタイミングの申し入れであった。

メディア効果により、リフォームブームと言われた当時であった。
言葉は悪いが、”見てくれのフォーム”がもて囃されていた事に危機感を持っていた。

 

ライフデザインのリノマンションリフォームを理解して下さるお客様に出会う事が出来た事に深く感謝している。

そして、今回業界紙『建築知識』の記者である藤山氏のご理解にも深くお礼を申し上げたい。

今後も真のリフォームを広く理解していただくために努力を惜しまない事をお約束する。

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